
研究職と開発職の違いって、何となくわかってはいるけれど実際よく分からない、という人は多いと思います。
実際、僕も大学生の頃はそうでした。ぼんやりとイメージは出来ていても、実際にどんな違いがあるかはよくわかっていませんでした。
そんな僕も今では社会人。研究職と開発職の違いというのも分かってきました。
そこで、今回は研究職と開発職の違いを、実際に企業で働いている僕が解説します!
ちなみに僕は、説明が難しいのですが一般的な研究職と開発職の間の様な仕事をしています。だからこそ、両方の違いを細かく説明出来るのです。
この記事の最後で、僕が実際にしている仕事についても少し説明したいと思います。
研究職と開発職の違い
さて、この2つの違いを簡単に言うと、製品を開発する過程において担当する部分が違います。
仮に、商品を開発する工程を0から10で表現するとしましょう。
この時、0から1を担当するのが研究職、1から10を担当するのが開発職です。

よく、学生は研究職を華型とし、開発職を蔑ろにする傾向がありますが、実際のところどっちの職業の方が優れているというのはありません。
どちらの職業も製品を販売するまでに、大事な役割を担っています。そこに優劣などありません。
研究職は大学で研究している人は想像がしやすいので、そちらの方が人気が高くなるのもわかりますが、就活の時は開発職にもしっかり目を向けましょう。
もしかしたら、開発職の方がみなさんのやりたいことに合っている可能性だってありますからね。
それでは、ここからは研究職、開発職それぞれについて、もう少し詳しく説明していきます。
研究職とは?

研究職の至上命題、それは世の中にない新たな技術を開発し、社会に価値提供を行うことです。
すなわち、研究職とは何もない「0」の状態から、製品の種になる「1」の技術を作るお仕事です。
非常にやりがいのある仕事だと思います。今まで誰も成し遂げられなかった新しいことにチャレンジし、成功することが出来れば、大きな達成感を得ることが出来るでしょう。

一方で、結果を残せなければ、会社から冷たい目で見られる世界でもあります。
これは研究費がどこから出ているのか?ということを考えて貰えば想像できると思います。
研究部門と言うのは、直接的には会社に利益をもたらしていません。もちろん間接的には貢献していますが、あくまで研究部門と言うのは、製品の種を作ったにすぎません。
それをお金になる製品にしたのは、紛れもなく開発部門です。それをどう売るか考えたのは営業部門です。広告部門もどうやってこの商品を世の中に知ってもらうか、悪戦苦闘します。その結果、製品が売れ、利益が生まれるのです。
そんな会社に所属する社員みんなが汗水流して得た利益の一部から、研究費用は捻出されています。
もしもそれで大して結果も出せないのなら、会社の人からは冷たい目で見られることでしょう。
「あいつら、俺らが必死になって稼いだ利益をドブに捨てやがって」って…

当然研究には失敗がつきものですから、成功するばかりではありません。
しかし、社会人に求められるのは結果です。厳しいかもしれませんが結果が全ての世界です。結果を出せない研究者は正直役に立ちません。
実際、他の部門からすると研究職って何をやっているのかよく分からないんです。だからこそ、結果を残すことが求められます。
ただですね、この結果というのも別に1ヶ月や2ヶ月で出せ、と言っているわけではありません。
何年もかけて、結果を出していけば良いのです。
そういう背景もあり、研究職のスピード感というのはあまりありません。これは良いところでもあり悪いところでもありますね。
腰を据えてじっくりと研究に励み、大きな達成感を得たい!という人に研究職は合っているのではないでしょうか。
研究職:個人でじっくりと新たな技術開発に取り組む。他の仕事以上にシビアに結果を求められることもある。
開発職とは?

一方、開発職の至上命題は、研究職の人が撒いてくれた種を実際の製品に落とし込むことです。
すなわち、種である「1」を、製品である「10」にするのです。
1から10、と表現したのは、この間に様々な工程が含まれているからです。
仕様の検討から始まり設計、立ち上げ、試験、改良、生産方式の決定など、開発職の携わる仕事は多岐に渡ります。
当然、これだけの仕事を一人でこなせるわけもありません。だからこそ、色々な人とコミュニケーションを取りながら、一緒に仕事を進めていく必要があります。
そういった仕事なため、研究職に比べて高いコミュニケーション能力が必要になってきます。また、様々な仕事を同時並行で進めていくマルチタスクの力も求められます。
さらに、スピード感も研究職に比べて早いです。製品の発売日というのはある程度設定された後に開発が進みますから、発売日を遅らせることのないよう、計画立てて仕事をしていきます。
そして、忘れてはいけないのがトラブル対応です。開発の現場ではトラブルがつきものです。その対応に追われ、ついつい残業してしまう、なんてこともないとは言い切れません。

こうやって話を聞くと、みなさんは開発職に魅力を感じないかもしれませんが(僕がネガティブに書きすぎかもしれませんが笑)、非常に開発職はやりがいのある仕事でもあります。
まず、ものづくりの全体像を仕事を通して学ぶことが出来ます。コスト的な視点などが磨かれ、研究職の人よりもビジネス的な視点が磨かれやすいと感じています。
これは大きなメリットです。特に、長い社会人生活、将来的に出世したいと考えているならば、ものづくりの幅広い知識は必要不可欠です。
逆に言えば、広い知識を勉強する必要があります。研究職は狭く深くな知識を求められる一方、開発職は広くそこそこな知識を求められます。浅い知識ではダメです。せめて他社メーカーの人と議論できるくらいの知識は持っておきたいところです。
また、実際の製品の開発に携わるため、人によってはこちらの方が達成感を得やすいかもしれません。
まとめると、開発職は忙しいが、幅広い経験をすることが出来、将来の出世に必要な力を得ることが可能、と言えるでしょう。
個人的には、生産の1から10まで知っており、様々な業種の人とコミュニケーションを取ってきた開発職の人こそ、出世して会社の舵取りを担っていくべきなんじゃないかと思いますけどね。
開発職:忙しく、様々な人と幅広い業務に携わる。その経験は将来必ず役立つはず
僕の仕事について
さて、最後におまけ程度に僕の仕事内容について語っておきましょう。
僕の仕事は、一応研究職ですが、開発職に近い研究職です。
「どういうこと?」となるかもしれませんが、事実なんですよね(笑)
もう少し具体的には「社内のものづくりに関する研究をしている」んです。
開発の研究職、とでも言いましょうか。
だから、研究チックなことをする傍ら、開発の様に色々な人とコミュニケーションを取り、ものづくりを進めることもあります。
非常に幅広い、貴重な経験を僕自身させてもらっていると感じています。色々なことが学べるので、この職場で良かったなと思っています。
興味がある方はこんな感じの仕事を探してみてください。流石に僕から教えることはできませんので(笑)
もしかしたら、研究職、開発職と2つにキッパリ分けてしまうのは、あまり良くないのかもしれないですね。
会社には色々な仕事があります。別に研究職の人だって開発業務を少しはするかもしれません。その逆も然りです。
単純にこの2つを分けて考えるのではなく、各企業ごとにこの辺りの枠組みはどうなっているのか?しっかりとリサーチしていくことが大事かもしれませんね。
まとめ
簡単にこの記事の内容をまとめます!
・研究職:個人でじっくりと新たな技術開発に取り組む。他の仕事以上にシビアに結果を求められることもある。
・開発職:忙しく、幅広い業務に携わるが、その経験は将来役立つはず
けれども、この2つを明確に区分分けするのも良くない。しっかり企業研究しよう!
というのが、この個人的な結論です。
就職、というのは今後の人生のあり方を決める非常に大事な転換点です。
どうか、悩んで、悩んで、悩みまくって、自分が納得できる様な選択をしていってください!!!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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みなさんこんにちは!なっくです!