
筋トレ初心者は最初、サプリメントの多さに面食らうことが多いんじゃないでしょうか。
プロテイン、BCAA、EAA、クレアチン、グルタミンetc...
とにかくサプリメントは種類が多いです。そしてそれらが一体何なのか?ということを理解するためには、タンパク質とアミノ酸についての知識が必須となってきます。
そこでこの記事では、「筋トレ」という観点からタンパク質、アミノ酸について解説し、サプリメントの中でも代表してプロテイン、BCAA、EAAがどのようなものなのか?ということを解説していきます。
実は僕は化学専攻出身でして、タンパク質やアミノ酸にも多少は詳しいです。
全然化学なんてわからない!という人にもわかるように、平易に解説するので、安心して読んでいってください!
目次
タンパク質とアミノ酸の違い

まず、タンパク質、アミノ酸について説明していきます。
最初に厳密な定義を述べておきましょう。タンパク質はアミノ酸が多数結合して出来た高分子化合物です。
要は、タンパク質はアミノ酸が繋がって出来ているのです。アミノ酸がタンパク質を構成しているんですね。
また、人間を構成するタンパク質の種類はおよそ10万種類!繋がるアミノ酸の種類や数によって、タンパク質は変わっていきます。
それでは、アミノ酸とは何なのでしょう?
アミノ酸の厳密な定義は、アミノ基とカルボニル基の両方の官能基を持つ有機化合物です。(難しいかもしれないのでとりあえずそういうものをアミノ酸と言うんだ、と思っていただければ良いです)

その中でも、人間のタンパク質を構成しているアミノ酸はたった20種類しかありません。
たった20種類ですよ!これで、複雑な人間というものを作り上げているのですから、生物って本当に不思議ですよね。
それでは、タンパク質が実際に体に吸収されるときは、どのようなことが起きているのでしょう?
体に吸収されたタンパク質はペプチド、アミノ酸の順に分解されます。そして、それらのアミノ酸は吸収された後、体に必要なたんぱく質に再合成されるのです。
豚肉を食べても、体は豚にはなりませんよね?これは、一度タンパク質を分解した後に再合成しているからなのです。

さて、ここで大事になってくるのがそれぞれの分解から吸収にかかる時間です。
タンパク質はペプチド、アミノ酸と分解後にやっと吸収可能になります。したがって、体内に吸収されるまでに少し時間がかかり、3~4時間ほどかかります。
一方、アミノ酸はすでに分解済みなので吸収されるまでの時間は比較的早く、30分程度で体に吸収されます。

すなわち、吸収まで時間がかかる、すなわち持続性のあるのがタンパク質、即効性が高いのがアミノ酸ということになります。
この違いは重要なので、よく覚えておいてください。
たんぱく質、アミノ酸の違いがわかっていただけたでしょうか?
それでは次に、アミノ酸の種類を説明していきます。
たんぱく質に含まれるアミノ酸の種類
必須アミノ酸
先ほど説明した人間を構成する20種類のアミノ酸は、2種類に分けることが可能です。
そのうちの一つが必須アミノ酸。
何が必須なのかと言うと、これらのアミノ酸は体内で作ることが出来ないアミノ酸であり、食品から摂取する必要があるのです。
その種類は9種類。実はこのうちのバリン、ロイシン、イソロイシンを含んでいるのがBCAA、すべての必須アミノ酸を含んでいるのがEAAなのです。

BCAAを構成する3つのアミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシンは筋肉の合成に非常に重要な役割を示すことがわかってきているため、必須アミノ酸の中でも特に集中して摂取が推奨されています。
それに対し、EAAはすべての必須アミノ酸を含むので、バランスよく必須アミノ酸を摂取することが出来ます。
このように、BCAA、EAAの正体は実はアミノ酸だったというわけです。
非必須アミノ酸
一方、非必須アミノ酸は、先ほどの必須アミノ酸の逆で、体内で作り出すことが可能なアミノ酸です。
体の中で生成できるので、重要度は必須アミノ酸より劣りますが、体内で重要な役割を果たしているものも多く、必要に応じて摂取することも推奨されます。
その種類は11種類。

この中でも、例えばグルタミンなどは筋肉内に豊富に存在するアミノ酸であり、筋肉のタンパク質合成に関わっていることから、トレーニーの中には摂取する人もいます。
興味のある方は、それぞれの非必須アミノ酸の役割なんかを調べてみても面白いでしょう。
プロテインとBCAA・EAAの違いって結局何?
さて、ここまでタンパク質とアミノ酸の違いについて説明してきました。
では、これを踏まえてプロテイン、BCAA・EAAとは何なのか?その違いは?について説明していきます。
BCAAとEAAは先ほども説明したように成り立ちは似ているので、一括りにして説明します。ただし、この章を読めば、この2つのサプリメントの効果は似て非なるものであることがわかるでしょう。
プロテイン
トレーニーが摂取するものの基本となっているプロテイン。その特徴を簡単にまとめると、以下のようになります。
・筋肉を作る上で必要不可欠なタンパク質を効率的に摂取することが可能。また、様々なタンパク質が含まれており、筋肉生成以外でも体に良い効果を発揮
・一方、すべてのアミノ酸を含むため、必須アミノ酸の割合は少し低め
・吸収まで時間がかかるが、裏を返せば長時間に渡ってアミノ酸を吸収し続けることが可能
・安価
・味のバリエーションが多く、美味しく飲める
プロテインはタンパク質そのものなので、これを飲むことで筋肉の元となる材料を確実に得ることが出来ます。
その中でも、プロテインは様々なタンパク質を含んでいます。例えば、「ラクトフェリン」や「ガンマグロプリン」のような、免疫力を増強してくれるタンパク質がプロテインには含まれていますが、バラバラになったアミノ酸にはそのようなものは含まれていません。
他にもむくみが取れる、ホルモンバランスが整うなど、タンパク質を摂取することによる様々な効果がプロテインにはあります。
こういった副次的な効果を得ることが出来るのも、プロテインの大きな魅力です。
ただし、当然タンパク質を構成するのは全てのアミノ酸ですので、必須アミノ酸の割合は少し低くなります。
また、吸収まで時間がかかるプロテインですが、例えば就寝前の摂取を考えるなら、吸収の遅さはむしろメリットとなります。なぜなら、吸収まで時間がかかるので、長い時間アミノ酸を吸収し続けることが可能だからです。
また、安価で美味しいこともプロテインの魅力ですね。
とにかくサプリメントを初めてみたい!という方に間違いなくオススメできる、バランスの取れたサプリメントがプロテインと言えるでしょう。
BCAA・EAA
それに対して、BCAA・EAAはどうでしょうか?こちらもその特徴をまとめます。
・BCAAは必須アミノ酸3種類から、EAAは全ての必須アミノ酸から構成
・吸収速度が速い。そのため、運動中のパフォーマンスの向上や、筋肉の分解を防ぐ役割が期待できる
・ただし、下痢をしてしまうリスクもあり
・BCAAは必須アミノ酸のうちの3種類しか含まないので、筋肉作りという観点からすると実はあまり良くない。一方、EAAはすべての必須アミノ酸を含むので、筋肉作りも可能。
・EAAは言うならば、BCAAとプロテインの双方のメリットを教授することが可能なサプリメント
・高価。特にEAAは高い
・味のバリエーションが少ない
まず、BCAAもEAAも吸収速度が速いので、運動中のパフォーマンスの向上や、筋肉の分解を防ぐ役割が期待できます。そのため、運動前や運動中に飲むのに適しています。
また、起床後などは体の中のアミノ酸が欠乏状態にあるので、吸収の速いBCAA・EAAを摂取することが適しています。
ただし、吸収が速いことのデメリットとして、お腹を壊しやすいと言うのがあります。これは、吸収が速すぎるあまりに、胃を急速に通りぬけ、小腸での濃度が急激に高まる危険性があるからです。プロテインではこのようなことは起こりません。
そして、BCAAはあくまで必須アミノ酸の一部しか含まないので、基本的に筋肉の元となる原料を摂取するサプリメントとして適しているわけではありません。あくまで筋肉の分解を防ぐまでの役割です。
そのため、BCAAはプロテインのサブ的役割と言ってもいいかもしれません。
一方、EAAは必須アミノ酸を全て含むため、筋肉作りの原料となり得ます。言うならば、EAAはプロテインの筋肉の原料となると言うメリットと、BCAAの吸収が速いと言うメリットを組み合わせたようなサプリメントです。
そんなBCAA、EAAですが、デメリットはプロテインと比べて高価なことです。特にEAAは高い。
また、プロテインと比べても味のバリエーションは少ないです。
そのため、これらのサプリメントは、プロテインを買った後に、さらに筋トレの質を上げたい人が飲むことを検討すると良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか!
最後に簡単にプロテイン、BCAA、EAAについてまとめます!
・プロテイン:筋肉の元となるタンパク質から成る。副次的な効果もあり。
・BCAA:必須アミノ酸3種から成る。筋トレの質を上げることが可能。プロテインのサブ的役割
・EAA:必須アミノ酸全種から成る。プロテインの代わりになるが、高い効果を発揮するためには使い分ける必要あり
少しでも、この記事がみなさんのお役に立てたなら幸いです!
他にもいろいろな記事があるので、是非読んでいってください!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
皆さんこんにちは!なっくです!